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特別寄稿

【日本の映画7本をロシアで上映!】『アムールの秋映画祭』レポート & 日露合同映画『歳三の刀』

2020年9月にロシア極東アムール州にて開催された『第18回アムールの秋映画祭』のレポートと日露合同映画『歳三の刀』について、映画監督・一般社団法人ユーラシア国際映画祭代表の増山麗奈さんにご寄稿いただきました。

アムールの秋映画祭開幕式で司会を務める俳優マキシム・コロソフ
 
 

初めまして、私は世界を楽園にする映画監督、アーティスト増山麗奈です。
お互いの食文化や、芸術を知ったら、世界はもっと楽しくなる!をモットーに一般社団法人ユーラシア国際映画祭を立ち上げ、34か国との文化交流を企画しています。
ロシアともご縁がありまして、3年前よりお互いの映画を紹介しあうプロジェクトに携わっています。

ロシア極東アムール州州都の、ブラゴベシチェンスク市で2020年9月13日から20日まで『第18回アムールの秋映画祭』が開催され、日本映画7本を紹介していただきました。

『アムールの秋映画祭』は、ロシア文化庁・アムール州政府が主催する映画祭でロシアの5大映画祭の一つ。5つの中では演劇部門もある唯一の映画祭です。

150年前に初代ロシアの全権委任公司の榎本武揚氏の「シベリア記」にもブラゴベシチェンスク市を訪れた記述が出てきます。榎本さんが現地を訪れたのも9月17日。ブラゴベシチェンスク市はロシアで最も金が採掘される場所として知られていて、濁流のアムール川からたっぷりの金が最も採取されるのがちょうどこの時期だったそうです。今も9月のこの時期にアムールの秋「芸術祭」を祝う背景には、金採掘の歴史も関係しているかものかも。毎年モスクワのスターたちがエンターテイメントを届けこの町に訪れ、市民はそれを心待ちにしています。

女優で監督・脚本家も務めるナタリア・ボンダルチュクが審査委員長を務めます。隣はセルゲイ・ノヴォジーロフ氏。女性が輝くのもこの映画祭の特徴です。
 
 

アムールの秋映画祭のコンペディション部門は狭き門で、13作品の上映作品のうち12作品はロシア国内で初上映。賞の如何によって今後の全露でのヒットの方向を変える、ロシアの映画・演劇界にとってとても重要な映画祭です。全露から熱い期待が寄せられる本映画祭のプログラムディレクターは、敏腕女性プロデューサーのアレキサンドラ・ジューコワです。コンペディション部門グランプリ・最優秀監督賞は、アレクサンダー・ツォイ監督の映画「彼女が来るとき」が受賞しました。
今年初めて、賞状やトロフィーの他、今年初めて15万ルーブル(約20万円)の賞金が授与されました。短編映画のコンペでは24本がノミネートしています。

閉幕式授賞式で 賞を授与するプログラム・ディレクターのアレキサンドラ・ジューコワ(右から二番目)
 
 

ブラゴベシチェンスク市はアムール川をはさんで600メートル先は中国の黒竜江省という立地。川岸で生活する中国の方々の姿が見えるほど。昨年黒竜江省とブラゴベシチェンスク市をつなぐ橋ができて、中国の一帯一路政策の中でもユーラシアの新たな道として注目される町です。昨年は中国とロシアの合同制作の映画作品も上映されました、しかし、今年は、コロナ禍で映画祭に参加する中国の方の姿は見られません。レッドカーペットも中止、開幕式・閉会式は無観客でテレビ中継や配信で行われました。ロシア国内の映画も一部上映中止となり、決まっていたコンサートや舞台などの演目も13作品を7作品と縮小した中で、外国映画としては唯一、日本の映画が7作品上映されました。ブラゴベシチェンスク市現地には、ウラジオストクで実業家・殺陣師として活躍する西川滋さん、奥様で映画配給にかかわる西川アレキサンドラさんが訪れてくれました。

ロシアアムール州政府主催ロシアの国立美術館で開催された増山麗奈個展「サムライレインボー」開幕式で、西川滋氏の居合が披露され、その模様が全露に放送された。
 
 

アムールの秋映画祭開幕式の司会を務めた俳優のマキシム・コロソフ(日露合同映画「歳三の刀」主演と、外国人で唯一ロシアの第18回アムールの秋映画祭を訪れ、日本映画を紹介してくれた西川滋(殺陣師・実業家)さん)
 
 

作品を選定・字幕を製作し上映の企画をしたのは一般社団法人ユーラシア国際映画祭です。2年目となる今年は、アムールの秋映画祭会長のセルゲイ・ノヴォジーロフ氏より私、一般社団法人ユーラシア国際映画祭代表理事の増山麗奈へ日露文化功労を認める賞状を贈っていただきました。
コロナ禍であっても芸術を委縮させないぞと奮闘してきた中での賞状が身に染みます。ギリギリまで開催が危ぶまれる中、開催22日前に正式開催の通知が来て、セルゲイ代表はモスクワで涙したそうです。

「日露文化交流」の貢献を表し、ロシアアムール州政府、アムールの秋映画祭より増山麗奈に授与された賞状
 
 

上映していただいたのは人気芸人として知られるサンドウィッチマンの富澤たけし初監督作品『花嫁の手紙』、10月にロサンジェルス映画祭で大林宣彦賞と助演女優賞をダブル受賞した『恋恋豆花』(今関あきよし監督)、10月からロシアで配給が決まった『ソローキンの見た桜』(井上雅貴監督)、「セカンド・プロローグ」(辻本和夫監督)、『歪な体温』(片山拓監督)、現在ロシアと日本で合同制作を進めている『歳三の刀』(アンドレイ・ムイシュキン監督/増山麗奈監督)の予告編、『サダコの鶴~地球をつなぐ~』(増山麗奈監督)の7作品。監督・俳優たちによる舞台挨拶も上映されました。

日本映画上映の前には、柔道や剣道が披露されました。
 
 

サンドウィッチマン伊達さんと富澤たけし監督の挨拶も上映された。
 
 

サンドウィッチマンの富澤たけし監督の『花嫁の手紙』は、サンドウィッチマンさんの名作コントを基にした心温まる映画ですが、字幕を製作する側として、笑いのニュアンスを伝えられるのだろうかと心配でした。結婚式に対する常識がロシアと日本では違いますし、タイミング、単語の選び方、高い精度の微妙な間が求められます。翻訳者と相談しながら何度も字幕を調整しました。
現地から送られてきた音声を聞いて、ほっとしました。要所要所で爆笑が起きていて、笑いは国境を超えるんだなぁと嬉しかったです!

サンドゥイッチマン富澤たけし監督作品『花嫁の手紙』はロシアでも爆笑を引き起こした。
 
 

ロシアで上映された『恋恋豆花』(今関あきよし監督)はロサンジェルス映画祭でも大林宣彦賞、母親役の大島葉子が助演女優賞を受賞した。
 
 

ロシア全土で上映が決まった「ソローキンの見た桜」(井上雅貴監督)
 
 

アムールの秋映画祭でのリモート舞台挨拶を収録する映画『歳三の刀』『ソローキンの見た桜』の監督・俳優たち。モニター内が現地を訪れた西川滋氏・西川アレキサンドラさん。
 
 

蜜を避け、感染対策をし、開催そのものが大変な中日本映画を紹介してくれた露アムール州政府、アムールの秋映画祭スタッフの皆様、代表のセルゲイ・ノヴォジーロフさん、ロシアの友人たち、作品を預けてくれた日本の監督たちに感謝の気持ちでいっぱいです。

ロシア側との交流は、3年前から。ロシア映画祭実行委員会や、日本から映画を提供してくださった映画関係者の皆様との交流が実り、現在コロナ禍ではありながら日露合同映画『歳三の刀』の映画製作を進めています。

ロシアの現地で上映された『歳三の刀』ワンシーン 土方歳三役を山本修夢氏が務める
 
 

ロシアと日本は、食も文化も、喜怒哀楽にない繊細な感情を大切にするところが似ています。
そんな両国の感覚を持ち寄り、かつてないエンターテイメント映画を作りたい。
日本のラストサムライ、土方歳三が、ロシアの皇帝と宇宙でできた刀によって運命的に出会うシーンもあるんですよ!

パンデミックで撮影が延びたことで、歴史の検証や、地域文化を学び、良いキャストやスタッフが集うなど、より充実した作品を作る準備が整いつつあります。

11月にはいよいよ、ロシアと日本の渡航がモスクワとウラジオストクで開通します。
来年の桜の時期のクランクインにむけて、一般の方も参加できる「歳三の刀」ロシア語教室や、演技や武術の稽古も開催しています。

10月末まで、モーションギャラリーで映画のクラウドファンディングを開催しています。
応援していただいた方には映画「歳三の刀」にエキストラ出演できる権利や、撮影に使った小道具の刀を所有できる権利など沢山の特典がございます。

歳三の刀メインビジュアル
 
 

コロナ禍を斬り!サムライが虹を架ける世界大ヒット映画「歳三の刀」をお届けすることで、大好きなロシアの皆さん、日本、地球、いや宇宙まで笑顔にしたいです!
読者の皆さんも是非この映画にご参加・応援をいただけたらうれしいです。
 

ロシアのアムールの秋映画祭と連動して増山麗奈絵画個展「サムライレインボー」展が国立美術館で開催された。日本でも増山麗奈個展「FUTURE AHEAD~光の世界へ~」が2020年10月20日~10月25日まで、東京のとよだ市民ギャラリーで開催。https://peraichi.com/landing_pages/view/renamasuyama1020
 
 

増山 麗奈

映画監督 画家
岡本太郎現代芸術賞入選 全日本美術家連盟認定
一般社団法人ユーラシア国際映画祭代表理事
雑誌「猫のように生きる」監修
露アムールの映画祭日本代表

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