1月21日より2月2日まで東京 代々木café nook さんにて、МФК PHOTOS の写真家 YAJ(矢島徹至)さんのキューバ/ロシア アンコール写真展『ニテヒナル Куба・Rusia』が開催されています。
初日の1月21日、キューバの「観光、旅行、文化、暮らし、ニュース」など、現地から見えるキューバを伝えるウェブマガジン キューバ俱楽部 さん主催のオープニングトークイベント、第23回キューバ俱楽部プレミアム〜ギャラリートーク☆新春アンコール写真展『ニテヒナル Куба☆Rusia』が開催されました。
キューバ革命後のソ連との繋がり、ソ連崩壊後に一旦疎遠になった両国がまた再接近している状況などの話を当時のキューバの状況を知るトラベルボデギータ 代表 清野史郎さんに、またキューバ/ロシア両国の歌をソプラノ歌手岩崎芳佳 さんにお聴かせいただきました。
清野さんのお話は色々と興味深いものでしたが、私が特に面白かったのはキューバの音楽家の話。イメージではキューバのミュージシャンというとストリートミュージシャンのような人たちが多いのかと思っていましたが、そこはソ連の教育メソッドが導入されていて、街角でサルサを演奏しているような人たちもソ連の教育メソッドでクラシックの教育を受けている人が多くおり、その教育のレベルによって明確にランク付けがされているそうです。すごいですね。
そして岩崎芳佳さんの歌。
世界初の有人宇宙飛行に成功したソ連の宇宙飛行士ガガーリンが自分を励ますために歌っていたという「祖国は聞いている」(ショスタコーヴィッチ作曲)、キューバの情熱的な「Noche Cubana」(キューバの夜)。
歌詞についての解説なども伺いながら、相当に違うであろう国民性ながらどこか通じる熱さ、強さのようなものを感じました。
そしてYAJさんの写真。すべてキューバとロシアを対比させる展示になっています。
また、キューバ倶楽部代表の斉藤さんによるキャプションがとても素敵です。
世界遺産の祈り
キューバの首都ハバナのモロ要塞と、ロシアのサンクトペテルブルク北東のオネガ湖に浮かぶ顕栄(プレオブラジェンスカヤ)教会。
空の表情が、建物の陰影を際立たせる。
片や海賊の襲撃から町を守った石造りの要塞、片や先住民の言葉で”祭祀の場”を意味するキジ島の木造の教会。
後世に遺したいのは、どちらも平和への思い。
キューバ倶楽部 斉藤真紀子
女傑
勲章をつけたロシアの女性。従軍での功績、地域社会での貢献、子だくさんなど、さまざまな理由で叙勲され、戦勝記念日には国民から祝福される。
大声で男どもをどやしつける、キューバの女性。有無を言わさず、みんなが言うことを聞いてしまう、ド迫力。
“強きもの” 汝の名は女!?
キューバ倶楽部 斉藤真紀子
猫の理由
「ものごとには3つの理由がある。私の理由とあなたの理由。そして本当の理由。」と書かれた壁を背にたたずむキューバの猫。
ロシアの猫に「寒いのにどうして外にいるの?」なんて訊かないで。
「ここ、地下鉄の換気口だから、あったかいんだもん」と。ロシアの猫にも、そこにいる理由がある。
キューバ倶楽部 斉藤真紀子
非常に示唆的ですね。
もとよりロシアに興味を持っている方はその時点で一つ別の視点を持っている、もしくは少なくとも気付いている方だと思いますが、そこにキューバというまた一つアングルのついた視点を得ることで物事が立体的に見えてきます。
尚、この写真展は、元は昨年(2018年)11月につくばで開催された「小さな地球〜Small Earth in Tsukuba~」 のイベントのひとつとして企画されたもの。国際色豊かな来場者を考慮して、上記の解説(写真のキャプション)は全て日英の併記となっている点も見どころのひとつです。
つくばでの展示の様子、全展示作品と解説が収録された図録「ニテヒナル」も会場で販売されています(750円・税込)。
是非、2/2(~22:00)までに、代々木の”大人の隠れ家カフェ” café nookへ、新たな視点を得にお出かけください。
キューバ/ロシア アンコール写真展 『ニテヒナル Куба・Rusia』
風土も、国の規模も違えば、国民性も異なるロシアとキューバ。それなのに、なぜ、情景や日常の一コマを切り取ると、どこか似ているのだろう。同じ目標に向かっていた時に流れていた時間が今も交差しているのだろうか。
- 会 期:
- 2019年1月21日(月)〜2月2日(土)
- 場 所:
- Café nook (MAP )
- 時 間:
- 月〜金 12:00-22:00 土 13:00-22:00
- 写 真:
- YAJ (矢島徹至)
- 解 説:
- キューバ倶楽部 斉藤真紀子
↓↓↓キューバ倶楽部 Webサイト
↓↓↓岩崎芳佳さん Facebookページ
YAJ (矢島徹至)
https://yajimatetsushi.wixsite.com/photography
京都生れ、奈良育ち、東京在住。商社マン。
ロシア駐在中、МФК PHOTOS に加入。それを機に作品としての写真を撮りはじめる。
帰国後も精力的な撮影活動をこなし、日露文化交流イベントへの作品提供、演奏会のカメラマンを務める。
また、演奏会やライブとのコラボ写真展も企画。音とビジュアルの融合もひとつのテーマとして活動している。
「被写体と私、その間にカメラがある。常に三位一体の関係です。」
МФК PHOTOS
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2011 年、モスクワで日露写真家の中村正樹が立ち上げた写真家集団 (Московский фотоклуб)。 写真講座や品評会を中心として、撮影会や展示会開催などを行っている。写真を媒介として、 日本の人々にロシアをもっと知ってもらい、好きになってもらうための啓蒙活動や、様々な地 域の魅力発信を続けている。現在ロシアに限らず世界各国にメンバーが在籍 (フランス・アゼ ルバイジャン・中国・シンガポール・タイ等 )。通称エムエフカーフォトズ。