Здравствуйте!
みなさんこんにちは。澤田智恵と申します。 日本、ロシアを中心に国内外で演奏をしているヴァイオリニストです。 私はモスクワに音楽留学をしていた経験がありますので、ロシアに興味をお持ちのみなさんにそのことについてお話ししたいと思います。
ロシアは私に人生の喜び=音楽を与えてくれました。 モスクワは私を救ってくれた、と自分では思っています。
日本で音大も卒業しましたが、実は全く音楽を好きではありませんでした。
ヴァイオリンをやめる勇気もなく、これで音楽がわからなければ楽器も売りスッパリとやめようと賭けて留学したロシアで、人生で初めて音楽の美しさと力がわかるようになり、演奏したい弾きたい、と願うようになったからです。
ロシアに留学していなければ、私はいまヴァイオリンを弾いていません。

なぜロシア?
音楽留学といっても行き先は色々とある中でなぜロシアだったのか? もともとはドイツに留学したくて、ドイツ中の音楽大学を回って先生探しをしていました。が、ドイツは年齢制限が厳しく、私は当時すでに27歳だった事もあり、全く入学の糸口をつかめずにいました。
そんな時に、ロシアは年齢制限がないと聞き、ヤケになっていた私は勉強できるなら何処へでも行く!と、ドイツから帰国して3ヶ月後には人生初のモスクワに出発しました。
スパシーバさえ知らずに、シェレメチボ空港に到着した私に、予期せぬ事が(危険が)待っていたのですがそれはまたの機会に。。。
ロシア語の習得
留学前に個人レッスンを数回受けましたが、スパシーバも知らないままに渡露しました。 言葉の不安とかもあまり考えずに出発してしまいました。
私は音楽院の寮に入ったので、ロシア語以外使える言語がなかったこと、寮には日本人は当時私一人だったため(他の日本人たちはアパート暮らしでした)否応なしにロシア語での生活になりました。 寮で、ネイティブではないロシア語上手な子たち(モンゴル人や韓国人など)と仲良くなり、彼らとの交わりからかなり学びました。
ちなみに、わたしが初めてモスクワで覚えた言葉は、
Страшно!:こわ〜い!
信号がない交差点を渡る時に友人たちが発していたので覚えました。
音楽院でのロシア語授業は、先生たちは少し英語を話せましたが(私はその当時英語さえも話せず)、授業中はほぼロシア語のみでした。
音楽院のロシア語授業では、自分のレベルクラスより上のクラスにも籍を置き(先生に頼み込んで)、二倍量の授業を受けられたのもラッキーでした。

最初の頃はロシア語全くわからずでも、すぐに学科の授業も始まるので、授業では一つの言葉を聞き取ってはカタカナで書き留め、寮に帰ってから友人にその言葉を聞いてもらい、何の単語だったかを学ぶ、という感じに始まりました。初めての音楽史の授業で聞き取れた言葉は、
Студенты : その授業での意味合いは、放浪音楽家たち
Поют : 彼らは歌っている。
パユート、て授業で聞いたけど、何の意味?みたいに尋ねてました。
あと、中国人留学生も多く、分からない単語を、漢字で書いてもらったりしてました。最終の1年くらいは。
実技の授業では、初めは日本人の先輩学生が通訳してくれました。
あとは、レッスンを録音し、あとで何を言われてるのか録音を聴きながら辞書を引く、辞書でさがせなかったり、先生の仰ってる意味がわからない時は、友達に録音の一部を聞いてもらう、などしてました。
おすすめの勉強法は、ロシア語の場合は、文法を、質問と返答のセットで覚えること、格は音(韻)を意識すると覚えやすいと思いました。
日常の思考を、ロシア語にすると自然とロシア語が出てくるようになります。
例えば、это вкусно, сегодня холодно, мне приятно など、日常のありふれたことを、副詞を使った短いフレーズなら難しくないし、どんどん口にすることがおススメです。

澤田智恵インタビュー特集番組放送『ロシア音楽-私の全人生の愛』
ロシアでの生活について

ロシアでの生活は、私がいた頃(2007〜2012)と今とでは全く別物です。
私の留学中5年間でもかなり変わりましたが、近年の変化のスピードは速いです。
以前は、インターネット料金や電話の支払いも銀行窓口に並んで支払ったあと、インターネット会社に振り込んだ旨を電話で伝えてようやく使える、など日本では考えられない不便さでしたが、今では私の知る限り、モスクワでは日常的に仮想通貨が使われ、スマホがないとタクシーも呼べませんし、オーガニックフード専門店やお洒落なカフェ、夜はイルミネーションや建物のライトアップなど、よりヨーロッパに近い感覚になりました。
路上駐車も一掃され、"秩序の無さがロシアの良さ" 的なところからかなり離れました。
生活必需品や食品の物価は日に日に値上がりします。
困ることやロシアならではの不便さ(不条理さ)は改善されてきたとはいえまだ残ってるのかもしれませんが、ロシア人との付き合いや交わりの経験から、私は心の底から、ロシアに(たまたまだけど)流れ着いて良かったと幸せに思っています。
私がロシアのママと呼ぶ女性とその娘さんやお孫さんとは、2007年から家族ぐるみの付き合いが続いています。見返りを求めず相手を思いやり、自ら助けに行く、ロシア人の優しさの深さは測れません。

音楽や芸術を求める人にも、ロシアはとてもオススメです。
まず、教育システムが整備されていること。(共産圏の...) いわゆるロシアンメソッドですが、教授法のみならず、教育機関の体制が整っていることが、日本との大きな違いです。
才能とやる気があれば、お金がなくても、小学生のころから音楽を国立音楽学校で学べます。
実技のほか、ソルフェージュや和声、アンサンブルやオーケストラ、音楽史に作品についての勉強が組み込まれています。
学生は、コンサートを無料で聴けます。
国内外の一流の演奏家やオーケストラを毎日のように聴ける環境が、若い音楽家を育てる要素の一つになっています。
例を挙げだしたらキリがないですが、ロシアに来て数年暮らして初めて、チャイコフスキーやラフマニノフやショスタコーヴィッチらの音楽に瞬いている人生そのものを、共感できるようになるでしょう。
生活も人間関係も日本で考えられない困る事は山ほどあります。
が、その困る事自体が、ロシアそのもの。
そんなロシアだからこそ感情の振れ幅も大きくなり、幸せも喜びも、日本で普通に暮らしていたら体験しないであろう大きさに達します。
なぜロシアとロシア人を愛してしまうのか、またの機会にぜひ紹介させて頂けたらと思います。

ロシアに興味を持っている読者の皆さんへ
ロシアは予想不可な国です。
強い志を持ってロシアに来る人たちには、惜しみなく応援し、指導をしてくれます。
「"学びたい"という希望がある」ことが1番大事、とロシア人は言います。
私はモスクワで、人生で初めて音楽の美しさを知りました。
音楽に出会い、私の人生は変わりました。
ロシアに救ってもらいました。
(留学中は、毎日が過去最大のピンチ。音楽をやる資格があるのか不安になる気持ちや現実に潰される日々の中で、音楽そのものの美しさに救われ希望を見いだし音楽を熱望するのです。絶望も苦しみも悲しみも音楽を通して表現されたとき、演奏者と聴く側の共感が生まれ、人生の喜びになるのです。)
私は、私のお弟子さんたちをロシアに送り込むのが夢です。
私が経験した喜びを、ぜひとも味わってほしいです。
ここまでお読みいただいたみなさんも、もしまだロシアを訪れたことがないなら、(留学とは言わないまでも)是非一度行ってみてください。
きっと大きな驚き、喜びの経験をなさるでしょう。

公演後、楽屋でサインを頂きました!
巨匠オレグ・クリサ 待望のアンコール公演!

オレグ・クリサVIOLIN東京リサイタル2018
2018年9月1日(土曜日)
19:00開演 (18:30開場)
新宿四谷区民ホール
前売 5,600円 / 当日 6,000円
全席自由・税込
[出演]
Violin:オレグ・クリサ
Piano:バリー・スナイダー
Violin:澤田 智恵
昨年、その崇高な音楽性とエモーショナルな演奏で会場を感動・感嘆の渦に巻き込んだウクライナの巨匠、オレグ・クリサ。互いに敬愛してやまないピアニスト、バリー・スナイダーとの競演で、東京新宿にカムバック!
かのオクタヴィア・レコードが惚れ込み、CDレコーディングをオファーした二人の巨匠の演奏を、今年日本で聴けるのはこの公演のみ!絶好の機会をお見逃しなく!
↓↓↓↓↓チケット販売↓↓↓↓↓
日本ウクライナ芸術協会
【TEL】080-5410-9639
【MAIL】society_japan_ukraine@yahoo.co.jp
チケットぴあ Pコード:120-288
【TEL(24時間自動音声応答)】0570-02-9999
【ONLINE】https://t.pia.jp/

澤田 智恵 《VIOLIN》
https://chiesawada.amebaownd.com
『チエは才能豊かで、多彩な美しい音色と完璧な音楽センスを併せ持つ情熱のヴァイオリニスト。彼女との共演は私にとって大きな喜びだ。』オレグ・クリサ
国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒業。母校・広島三育学院音楽教諭を経て、演奏活動開始。紅白歌合戦など音楽TV番組ヴァイオリン演奏出演。NHK音楽絵本ヴァイオリン演奏担当。2007年単身渡露。
ロシア国立グネーシン音楽院にて学士ならび修士課程修了。翌年パリ・エコールノルマル音楽院にてディプロマ取得。
日本国内各地、モスクワ、パリにてソロリサイタル。欧州各地、NY、上海など国内外でジョイントリサイタル、コンサート、音楽祭に出演。A.スタヤーノワ、M.グセイノフらより作品を献呈され初演している。モスクワではトリオ「MOSCOW-TOKYO」のメンバーとして、ロシア功労芸術家らと演奏を重ねている。
在ロシア日本大使館が30年に渡り主催する日本文化フェスティヴァル「日本の秋」にて、2016、2017年に日本クラシック音楽作曲家たちの作品を紹介するコンサートを企画プロデュース、出演。日本、ロシア、トルクメニスタンの演奏家たちが出演。邦人作曲作品に加え、日本の文化を伝える絵画展、写真展、楽譜展を同時開催によるこれらの音楽総合イベントは大好評を博し、各国のメディアから注目される。
日本ウクライナ芸術協会を立ち上げ、世界一流の海外演奏家たちを招聘し、東京でコンサートを開催している。2018年秋には、キエフ・フィルハーモニーホールにて、O.クリサと競演予定。
昨年には「ラジオ日本―NHKワールド ロシア語」澤田智恵特集インタビューが組まれ、リスナーが選ぶより印象に残った番組回に選出された。
ヴァイオリンを徳永二男、盛岡輝、牧千恵子、M.ゴッツィーネル、E.トゥルーシナ、I.ヴォローシン、室内楽を生島繁、O.コンドラーティエワの各氏に師事。後進指導にも定評があり、全国区コンクール入賞者輩出。